電気代の計算方法|ワット数とkWhの計算式を暖房の例で解説

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結論

電気代は消費電力量(kWh)×単価(円/kWh)で求めます。ワット数なら「W÷1,000×使用時間×単価」で、1,150Wのセラミックヒーターを1時間使うと単価31円/kWhで約35.7円です。エアコンやこたつは運転中に電力が変わるので、仕様表に消費電力量(kWh・Wh)があればそちらで計算します。

単位ごとの計算式を見る
夕方のリビングに下がる電球

仕様表の値がW、1時間のWh、1回のWh、年間kWhのどれかで、計算の手順が変わります。この記事では冬の暖房を例に、どの値をどの式に入れるかと、結果の読み方を説明します。金額を出すだけなら、電気代計算ツールに数値を入れれば計算できます。

金額はメーカーの公称値または明記した仮定からの試算で、当サイトの実測ではありません。単価は家電公取協の目安単価の31円/kWh(税込)です。

まずは仕様表の単位を選ぶ

仕様表にある値計算方法ツールのモード
消費電力(W)W÷1,000×時間×単価消費電力(W)
1時間あたりの消費電力量(Wh)Wh÷1,000×時間×単価1回の消費電力量(1時間を1回として入力)
1回・1コースの消費電力量(Wh)Wh÷1,000×回数×単価1回の消費電力量(Wh/回)
年間・期間の消費電力量(kWh)kWh×単価年間消費電力量(kWh/年)

Wは電力、Wh・kWhは一定の時間に使う電力量です。1回分や年間のWh・kWhには、時間の要素がすでに入っています。 そこへ運転時間をもう一度掛けないようにしてください。

kWhで分かっている値は単価を掛けるだけです。31円/kWhなら1kWhは31円、1.7kWhは52.7円、300kWhは9,300円です。

暖房器具はどの値を使うか

同じ暖房でも、メーカーが公表している値の種類は機種ごとに違います。次の表は、それぞれの値から1時間の電気代を計算したものです。

暖房器具1時間仕様表の値計算
セラミックヒーター パナソニック DS-FAS1200 強約35.7円消費電力1,150W(50Hz)1,150÷1,000×31
オイルヒーター デロンギ RHJ21F0812-GY 最大約37.2円消費電力1,200W1,200÷1,000×31
エアコン暖房(6畳) パナソニック CS-C226D 定格約13.0円消費電力420W420÷1,000×31
ホットカーペット2畳 パナソニック DC-2NK 中約7.1円1時間あたり230Wh(室温15℃)230÷1,000×31
こたつ 山善 GKR-803H 強約3.5円1時間あたり約112Wh112÷1,000×31
電気毛布 山善 YMS-FK35 強(HI)約0.7円1時間あたり約21Wh21÷1,000×31

上の3つは、そのW数で動き続けた場合の金額です。下の3つは、メーカーが公表した1時間の消費電力量からの金額で、定格W×1時間より小さい値です。暖まる範囲が違うので、この表だけで暖房器具の優劣は決められません。

💡 Wh・kWhが公表されていれば優先する

こたつのように温度調節で電力が下がる機種は、定格W×時間ではなく公表の消費電力量から計算します。

NITE(製品評価技術基盤機構)は、暖房器具は就寝時や外出時に必ず電源を切るよう案内しています。この記事では、寝ている間もつけたままにする計算はしません。

「暖房能力」は消費電力ではない

エアコンの「暖房能力2.2kW」や電子レンジの「加熱出力600W」は、電気代の計算に使う消費電力とは別の表示です。CS-C226Dは暖房能力2.2kWに対して、暖房の消費電力は定格420Wです。2.2kWをそのまま掛けると1時間68.2円になり、定格で計算した約13.0円の5倍以上になります。「消費電力」「消費電力量」と書かれた項目を探します。

W数と使用時間から計算する

計算式は、消費電力W÷1,000×使用時間h×単価です。1,000Wは1kWなので、1時間続けて使うと1kWh。単価31円/kWhなら31円です。

セラミックヒーターのDS-FAS1200は、強が1,150W(50Hz)です。1時間なら1,150÷1,000×1×31=35.65円で、四捨五入するとパナソニックが公表している1時間約35.7円(室温15℃・50Hz)と一致します。弱の640Wなら1時間約19.8円です。

朝晩30分ずつ、1日1時間を30日使うなら、1,150÷1,000×1×30×31=約1,070円です。

10分は「10÷60時間」に直す

脱衣所で1日10分だけ強で使うと仮定すると、1日あたりの試算は次のとおりです。

1,150÷1,000×(10÷60)×31=約5.94円。同じ使い方で30日なら約178円になります。10分を0.1時間としてしまうと6分になり、計算が合いません。

1,150W・10分・30日をツールで計算する →

W別の早見表

単価31円/kWhで、表示したW数を維持した場合の試算です。小数第2位まで丸めています。月は30日でそろえ、月額のリンクから条件を変更できます。

仮定する消費電力10分1時間30日間(毎日1時間)
10W0.05円0.31円9.3円
50W0.26円1.55円46.5円
100W0.52円3.1円93円
200W1.03円6.2円186円
500W2.58円15.5円465円
800W4.13円24.8円744円
1,000W5.17円31円930円
1,200W6.2円37.2円1,116円
1,500W7.75円46.5円1,395円
2,000W10.33円62円1,860円

表示したW数は計算を説明するための条件です。特定の家電の標準値や実測値を表す表ではありません。

Whが公表されている家電はWhで計算する

こたつ・ホットカーペットは1時間あたりのWhを使う

山善 GKR-803Hは、消費電力300Wに対して、1時間あたりの消費電力量が強約112Wh・弱約48Whと公表されています。強で1日4時間、30日使うと次のようになります。

112÷1,000×4×30×31=約417円。弱なら48Whで約179円です。

定格の300Wで同じ計算をすると1,116円になり、公表値から計算した金額の約2.7倍です。定格の300Wは、温度調節で電力が下がる時間を含まないからです。

ホットカーペットも同じです。パナソニック DC-2NKの定格は490Wですが、室温15℃の1時間の消費電力量は高335Wh・中230Whで、電気代は高約10.4円・中約7.1円と公表されています。

定格Wと1時間のWhを分ける考え方は、電気毛布をポータブル電源で使う時間の見積もりにも使います。機種ごとの条件は電気毛布に使うポータブル電源の比較で確かめられます。

洗濯機・食洗機は1回のWhを使う

パナソニック NA-LX127FLの洗濯〜乾燥は、標準乾燥が800Wh、省エネ乾燥が620Whです。1回の電気代は800÷1,000×31=24.8円、620÷1,000×31=約19.2円です。1日1回、30日なら744円と約577円です。2日に1回なら、ツールの使用回数を0.5回/日にできます。

800Whは、800Wの意味ではありません。また、標準乾燥に98分かかっても、800Whに時間をもう一度掛けません。仕様表にある「洗濯のみ」「洗濯〜乾燥」「標準」「省エネ」など、実際に使うコースの値を選びます。

公式のコース別数値と使用容量の違いは、洗濯機の電気代と洗濯機の選び方に整理しています。水道代や洗剤代はこの電気代計算に含みません。

冷蔵庫・エアコンは年間・期間kWhで比較する

エアコンの暖房は運転の強さが変わり続けるので、機種を比べるときは期間消費電力量を使います。kWhなので÷1,000は不要で、使用時間も掛けません。

CS-C226Dの暖房の期間消費電力量は456kWh(JIS C 9612:2013)です。算出の条件は、東京をモデルに11月8日〜4月16日の160日、1日18時間(6時〜24時)、設定20℃、JISの平均的な木造住宅(南向き)、機種に見合った部屋の広さです。

見方結果計算
暖房期間の合計14,136円456×31
30日あたりの平均約2,651円14,136÷160×30
1時間あたりの平均約4.9円14,136÷(160×18)

30日あたりの平均は、1月の月額予測ではありません。 暖房期間には11月や4月も入るので、寒い月は平均より高くなると考えられます。

冷房を含む年間の期間消費電力量は630kWhで、630×31=年19,530円です。12で割った月平均は1,627.5円ですが、これも季節の差をならした値です。

冷蔵庫も年間消費電力量で計算します。三菱電機 MR-C33Nは年間338kWhなので、338×31=年10,478円、12で割った月平均は873.17円です。年間消費電力量はJIS C 9801-3:2015に基づく公称値です。定格消費電力のW数に24時間を掛ける計算ではなく、この値を使います。

同じ型番でも資料に複数のJIS規格の値が載る場合があります。CS-C226Dの暖房は2013年版で456kWh、2005年版で512kWhです。比較するときは年版・測定条件をそろえます。具体例は冷蔵庫の電気代とエアコンの電気代を参照してください。

定格と最大、AとWは同じではない

定格消費電力は常時の値や最大値とは限らない

CS-C226Dの暖房の消費電力は、定格420W、範囲125〜1,470Wです。1時間に直すと定格は約13.0円、最小は約3.9円、最大は約45.6円で、運転の状態によって約12倍の幅があります。期間消費電力量から求めた平均の約4.9円は、定格の4割弱です。

「定格W×時間」の結果は、そのW数を維持した場合の試算です。実際より必ず高いとも、最大料金だとも言えません。運転の変動を含めた比較には、公称の消費電力量や、条件の分かる使用実績を使います。

段階を切り替える暖房では、選んだ段階のWが上限の目安です。オイルヒーターのRHJ21F0812-GYは1,200W・700W・500Wの3段階で、1日8時間×30日なら1,200Wで上限8,928円、500Wで上限3,720円です。デロンギはサーモスタットで電源が切れている間は電気代がかからないと案内しているので、実際の金額はこれより下がることがあります。製品ページと公式FAQに平均の値がないため、ここでは上限として扱います。

自宅の実際の値を知りたいときは、コンセントと家電の間に挟んで電力量を測る機器(ワットチェッカー)を使う方法があります。対応する電圧と電流は製品ごとに確かめてください。

電流Aだけでは消費電力Wを確定できない

単相交流では、電圧V×電流Aは皮相電力VAです。有効電力Wを求めるには力率も必要になります。オムロンの電力量監視資料では、VA=V×A、W=V×A×力率を区別しています。

例えば100V・12Aなら1,200VAですが、力率が分からなければ1,200Wと断定できません。家庭の機器にも100V・200Vなどの違いがあるため、「家庭用はすべて100V」と置かず、メーカーが表示する消費電力W・消費電力量Wh/kWhを確認してください。

家電単体の計算と請求額が違う理由

WやWhから計算した値は、入力した条件と単価による機器単体の概算です。家庭の請求額は、契約全体の料金体系で決まります。

確認する項目明細や料金表で見ること
基本料金・最低料金契約容量、プラン、使用がない月の扱い
電力量料金使ったkWh、段階制・時間帯別などの単価
調整額燃料費調整、市場価格の調整など契約に応じた項目
再エネ賦課金使用電力量に応じた額。2026年度は4.18円/kWh(2026年5月分〜2027年4月分)
割引・支援など適用条件、対象期間、すでに単価へ反映されているか

例えば東京電力の燃料費調整の説明では、燃料価格に応じた調整を案内しています。再エネ賦課金の制度説明も、最新年度の確認先になります。全ての契約が同じ段階料金・同じ調整方法ではありません。

冬は国の電気料金の支援も明細に関わります。2026年10月29日の総理会見では、1kWhあたり12月は1円、2027年1月と2月は4.5円の支援を実施するとしています(2026年11月2日時点の発表)。どの月の請求に反映されるかは電力会社の案内で確かめます。この記事の金額には反映していません。

31円で出した概算に明細の項目を全部足しても、請求額に一致するとは限りません。 入力した単価が何を含むかを確かめ、二重に加算しないようにします。請求額を再現したい場合は、契約中の電力会社の料金表・明細・シミュレーターを使ってください。

1kWhの単価|31円の根拠と自分の単価の出し方

31円/kWhは、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた税込の目安単価で、2022年7月22日に改定されました。電気料金は契約先で異なるため、全小売電気事業者の販売電力量と販売額の集計などをもとに算出しています。家電の電気代を条件をそろえて比較する基準で、全国の最新平均や個々の契約の単価ではありません。

明細から自分の単価を求める

明細の請求額から基本料金を引き、使用量(kWh)で割ると、その月の1kWhあたりの平均が出ます。仮に基本料金を除いた金額が12,000円、使用量が350kWhなら、12,000÷350=約34.3円/kWhです。この単価なら、1,150Wのセラミックヒーターの1時間は約39.4円になります。

支援の適用月の明細から求めた単価には、支援がすでに反映されています。段階制の契約では使用量が増えた分に高い段階の単価がかかるので、暖房で増えた分の電気代はこの平均より高くなることがあります。ツールで変えられるのは単価だけで、段階制・時間帯別・基本料金までは再現しません。

買い替えで得になるかは追加費用も見る

電気代の差は、年間kWhの差×単価で求めます。冷房2.2kWの2機種で計算すると次のとおりです。年間kWhはどちらもJIS C 9612:2013の期間合計です。

機種年間kWh年間の電気代外気温2℃の暖房能力
CS-C226D630kWh19,530円3.9kW
パナソニック CS-X226D594kWh18,414円4.5kW

差は36kWhで、年1,116円です。本体・設置などの追加費用が仮に5万円なら、電気代差だけの単純回収は50,000÷1,116=約44.8年です。この5万円は計算を説明するための仮定で、実際の価格差ではありません。回収できることや利益を保証するものでもありません。

CS-X226Dは外気温2℃の暖房能力も高いので、電気代の差だけで比べると見落としが出ます。

年間630kWhと594kWh・追加費用5万円で比較する →

寿命、修理費、将来の単価変動は含みません。機能・設置・容量も合わせて判断するために、エアコンの選び方と家電の選び方ガイドも確認してください。

待機電力も同じ式で計算できる

仮に待機電力0.5Wの機器を24時間・365日その状態にすると、0.5÷1,000×24×365×31=135.78円/年です。この0.5Wは計算例で、全ての機器の標準値ではありません。

0.5W・24時間・365日で試算するから、機種の仕様に置き換えられます。録画、時刻設定、ネットワーク接続などが必要な機器は、電源を切った場合の影響も取扱説明書で確認してください。

スイッチ付きタップを使う場合は、接続機器の定格や合計の負荷に対応する製品かを確認します。節電額は接続した機器と使い方次第で、タップ自体が一定額を節約してくれるわけではありません。

暖房器具は、タップや延長コードを使えるかを取扱説明書で確かめます。例えばデロンギ RHJ21F0812-GYの取扱説明書は、定格15Aのコンセントを単独で使い、延長コードやテーブルタップは使わず、電源をコンセントから直接取るよう案内しています。NITEも電気暖房器具の点検として、たこ足配線になっていないかの確認を挙げています。

※価格・在庫は変動します。購入先でご確認ください。

よくある質問

Q. 1,000Wの家電を1時間使うといくらですか? A. 単価31円/kWhなら31円です。1,000Wを維持した場合の試算で、単価や運転の変動によって実際は変わります。

Q. 1kWhはいくらで計算すればよいですか? A. 目安単価は31円/kWh(税込)です。自分の契約に近づけるなら、明細の請求額から基本料金を引き、使用量で割った単価を使います。

Q. エアコンの暖房は1日いくらかかりますか? A. 機種と条件で変わります。CS-C226Dの暖房の期間消費電力量456kWhから計算すると、1日18時間の平均で約88円です。暖房期間全体の平均なので、寒い日はこれより高くなると考えられます。

Q. こたつの300Wは、1時間に300Wh使うという意味ですか? A. 定格の300Wで動き続けるわけではありません。山善 GKR-803Hの公表値は、強で1時間あたり約112Whです。Whが公表されている機種はWhで計算します。

Q. 洗濯機の800Whは、2時間なら1,600Whですか? A. 800Whが1コース全体の消費電力量なら、そのまま1回分です。時間をもう一度掛けません。Wh/回の計算を使ってください。

この記事のメーカー仕様と31円/kWhの単価は2026年11月2日に確認しました。家庭の請求額の再現や、契約変更による節約を保証するものではありません。

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